比叡・比良・西近江 自然と歴史鎮守の森めぐり

比叡・比良・西近江 自然と歴史鎮守の森めぐり 趣意
  近江鎮守の森を仰ぐ会・㈳日本風土文化推進機構
私たちは、山や森、自然に支えられて、季節と折り合いながら、暮らしを営み文化を築いてきました。そして、豊かな恵みに感謝し、時に天災に遭遇する中で自然を畏怖してきました。
しかし、私たちは現在、この国の風土に培われた、自然と共にあった、“いのちとこころ”をつなぐ場の喪失に直面しています。山河、自然の荒廃は、そのままに日本人の心の荒廃であるといえましょう。
その一方、癒しや安らぎを求めて様々な「聖地」を訪ねる人が増えています。それらの多くはこれまでに聖域として崇められてきた山や森、自然です。
私たちにとって聖地とは、神の鎮まり、仏の宿るところ。そして、生きるものすべてのいのちの源である悠久の支援にあります。神々の鎮まる森は、暮らしのごく身近にある祈りの場であり、人と自然、人と人の交流の場でした。それは、こんにちも、「村の鎮守」の森として受け継がれています。
鎮守の森は、人と自然のいのちをつなぐ日本の原風景です。鎮守の森は、長い年月を経て、伝統的な精神や文化を育むものとして生き続けています。そのには、人びとの祈りや思い、願いといった心情が蓄積されています。とりわけ、現代社会において、鎮守の森は、大切な安らぎと癒しの場でもあります。
豊かな自然に恵まれた近江の山辺や湖辺には、時代を越えた神や仏の鎮まる森への道が続いています。その道を辿り、自然に抱かれた生きとし生けるもの、すべてのいのちを大切にするこころを再発見できれば幸いです。ここに、大いなるものに導かれつつ、「鎮守の森こころ旅」を開設します。