権座から西の湖へ和船でめぐり、安土で食のもてなし

環境船megumiと環境和船で行く環びわ湖エコツアー
行ってきました!びわ湖エコツアー レポート(過去実施 2012-01-11)  
レポーター:日本エコツーリズム協会
         高 野 千 鶴さん
   
環境船megumiと環境和船で行く環びわ湖エコツアー
~権座から西の湖へ和船でめぐり、安土の食と暮らしを訪ねる

朝9時に大津港から環境船megumiに乗り込んだ時は、青空が見え、山の上に降った雪の白さとの対照がとても美しく、幸先の良いスタートとなりました。琵琶湖汽船の環境船megumiは、シップ・オブ・ザ・イヤー2008という賞を受賞しており、燃料に使用済み天ぷら油などの植物性廃食油を軽油に混合したバイオディーゼル燃料、ソーラーパネルによる太陽光や風力による発電システムも導入し、二酸化炭素排出量の抑制に配慮した新時代のエコロジー・クルーズ船です。
琵琶湖を北上し、長命寺港で和船に乗り換えです。ここから長命寺川を行き琵琶湖最大の内湖(ないこ)である西の湖(にしのこ)へ向かいます。内湖とは、琵琶湖周辺の内陸部にある湖沼のことで、戦後の食糧増産や開発により多くの内湖が干拓されました。
和船の中には、座布団とストーブが用意されていました!こういう気持ちがありがたいですね。和船の船頭さんは、奥田修三さん。奥田修三さんは、琵琶湖で漁師として暮らしていましたが、干拓が進むにつれ、残された西の湖の水質が悪化し、魚がどんどん減ってしまった事に胸を痛め、なんとか元の姿に戻せないかと環境保全活動に取り組むようになり、子ども達に昔の暮らしを伝える活動やガイドを行っています。
いよいよ“権座(ごんざ)”と呼ばれる湖上の飛び地に上陸。ここでは残念ながら雪交じりの雨が降っていたため竹で組まれたビニールハウスの中で、「権座・水郷を守り育てる会」の方から、今も田舟で通う権座での酒米と酒づくりを通した水郷景観の保全についてお話を聞きました。できあがった地酒「権座」は毎年完売となるそうです!
再び和船に乗船し、今度は西の湖上を走り、西の湖畔の安土を目指します。写真の正面に見える山は安土山で織田信長が安土城を築いた所です。
安土に上陸し、今回のツアーの目玉である安土の郷土料理のおもてなしです!お迎えいただくのは「よしきりの会」という安土町商工会婦人部の皆さん。まずは、ヨシをすり込んだヨシうどんで体を温めるという配慮をいただき、豪華な郷土料理のバイキングをいただきました!参加者の皆さんもすごい勢いでお料理の数々を頂いていきます。更に、先ほど権座で紹介のあったお酒「権座」もいただき、皆さんいい気分~。
そして、ヨシで作った笛「ヨシ笛」の演奏を聴きました。まるで竹のようなしっかりとした笛で、ヨシの根元の部分を使っているそうです。演奏はヨシ笛の考案者、菊井 了さんと近藤ゆみ子さんにより行われ、津軽海峡冬景色のような郷愁を誘うものから明るいものまで、幅広く演奏いただきました。
最後に滋賀県立安土城考古博物館へ行き、学芸員の方から琵琶湖の畔の暮らしや安土の歴史についてお話を聞きました。
近江の歴史に浸りつつ、15:10に安土駅で解散となりました。琵琶湖の周辺は、湖を中心に東西南北でそれぞれに文化が異なり、興味のつきないエリアだとしみじみと感じました。