エコツーリズムとは。いま、なぜ、エコツーリズムなのか

エコツーリズムとは。いま、なぜ、エコツーリズムなのか

日本エコツーリズム協会(JIS)が考える 「エコツーリズム」の定義
「エコツーリズム」とは
・自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした観光を成立させること。
・観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう、適切な管理に基づく保護・保全をはかること。
・地域資源の健全な存続による地域経済への波及効果が実現することをねらいとする、
  資源の保護+観光業の成立+地域振興の融合をめざす観光の考え方である。
・それにより、旅行者に魅力的な地域資源とのふれあいの機会が永続的に提供され、地域の暮らしが安定し、資源が守られていくことを目的 とする。
・エコツーリズムの健全な推進を図るためには旅行者、地域住民、観光業者、研究者、行政の5つの立場の人々の協力がバランス良く保たれ ることが不可欠である。
・環境の保全を図りながら観光資源としての魅力を享受し、地域への関心を深め理解を高めてもらう手段としてのプログラムがつくられるべき であり、地域・自然・文化と旅行者の仲介者(インタープリテーションの能力を持ったガイド)が存在することが望ましい。

「エコツアーとは」

 ・エコツアーとは、こういったエコツーリズムの考え方に基づいて実践されるツアーの一形態である。
エコツーリズムの推進をめざします
地域の自然や文化への理解を深め、そのよりよい保全とゆとりある活用により、みずみずしい観光と産業を持続的に発展させる運動
エコツーリズムの効果
エコツーリズムを進めることにより、どのような効果が期待できるのでしょうか。次のような点が指摘されています。
環境保全への意識の啓発
・エコツーリズムが従来の観光形態と異なる重要な点は、旅行者に自然の中での自然と人との関係に関する意識の啓発をもたらす効果
・観光旅行では味わうことのできなかった、深いふれあいを可能とする。五感すべてを使うことにより自然に心身を癒される感覚を味わう。
・旅行者が日常生活に戻ったとき、エコツーリズムを体験して意識を啓発されたことで、環境への接し方に対する考え方や行動が変わる。
・観光業者・ガイド業者は旅行者に、直に接して旅行体験を提供する立場として、旅行者の意識の啓発を促す仕組みを持つことが重要。
地域経済の活性化と、地域観光の成立
・都市から離れたエコツーリズム資源を有する地域の集落において、地域経済の活性化と、地域における雇用効果のあがっている事例
・宿泊滞在型の観光タイプへと傾斜する傾向が見られ、それに伴い地域観光の売り上げ増に繋がり地域循環型の経済化が生まれる
滋賀ならではのエコツーリズム推進の取り組み
滋賀県では早くから地域での自主的、主体的な活動が活発であり、琵琶湖をはじめとする自然や先人が面々と築いてきた歴史や文化を活かした体験活動も県内各地でその地域の特徴を活かして活発に行われてきました。今後はこれらの活動の質を高め、「エコツーリズム」にふさわしいものにしていかなければなりません。
そのことが、琵琶湖をはじめとする豊かな自然環境、その中で育まれてきた環境との共生の歴史や文化を将来に引き継いでいくことになるのです。また、この豊かな自然資源、生活の知恵や工夫などを活かし、磨きをかけ、滋賀県でエコツーリズムを推進していくことは、本県の地域振興にも資するものです。
とはいうものの、本県での「エコツーリズム」の取り組みはまだ始まったばかりであり、地域で観光として欠くことのできない情報提供や地域の資源に磨きをかけ、さらに活かすための手法、さらにはガイダンスや人材育成、多様な主体との連携・協力等について積極的に取り組んでいく必要があります。
これらの取り組みについては、現段階では1つの団体や地域で取り組むには限界があり、これらを専門的に取り組む“エコツーリズム協会しが”の設立した目的です。